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Glue

ISZ KNIVESで使用する接着材の選定

素材の選定において一番時間を要したのが、接着剤となります。

接着剤には接着する対象に応じた種類、それに要求される無数の物理化学的性質などを各メーカーごとのカタログスペックを比較するところから始まりました。

接着剤も鋼材同様に相反する物理作用があり、ナイフ用途として重視するポイントとして、引張りせん断接着強度、剥離接着強度、伸び率を重視します。

ナイフに適した接着剤

接着材には数多くの種類があり、ここでは書ききれないため代表的な種類をあげます。

・ウレタン系接着材

​ウレタン系の接着剤は圧倒的な強度はアクリルやエポキシには敵いませんが、代わりに非常に高い伸び率があります。また耐候性良好な物も多く、フルタングナイフには使えそうですが、欠点として耐久年数の低さ、それに伴う経年劣化の加水分解が起こるため。ナイフには不向きとなります。

・アクリル系接着材

このタイプの接着材は、エポキシと並ぶ抜群の接着強度があり、非常に作業性が良い特徴があります。しかしアクリル系も、ウレタンよりは耐久年数は高いですが、それでも10~15年となります。また比較的耐熱性が低いものが多いです。

・エポキシ系接着剤

​やはりナイフに適した接着剤は、実績も多いエポキシ系となります。エポキシは強度が高く、耐候性も高い物が多く、耐久年数は気にする必要がありません。

しかしハンドル材強度が弱いナイフには伸び率も必要となります。伸び率は、しなる素材に追従する為の要素となりますが、その特性が高いタイプのエポキシは、接着強度が低くなります。

特に最新モデルでは悩むところではありますが、特殊な用途を想定しない限りは、市販の強度のあるもので問題ないと思います。

 

ISZ KNIVESで使用する接着剤

​ISZ KNIVESで使用する接着剤は、3種類のモデルを使用します。素材の強度は非常に強力ですが、高せん断強度、高剥離強度、高伸び率、そして非常に高い耐候性を重視しました。

・フルタングモデル用 

標準モデルには市販における高強度エポキシ接着剤として。

主にアメリカのベストセラーエポキシ接着剤、JBウェルドを使用します。非常に優れた耐候性、耐水性、高せん断強度、作業性も優れ、その性能は長い実績が物語っています。

 

・​コンシールドモデル用

コンシールドハンドル用として採用している。エポキシ接着剤が、セメダインEP001Kとなります。

非常に良好な、伸び率、剥離強度となり、使用温度範囲は-40℃~110℃と申し分ない性能ですが、せん断強度が低いという欠点があります。

ISZ KNIVESでは、国産化学メーカー製の接着材料を独自ブレンドすることにより、高せん断強度の確保を達成しています。

ハンドルの固定に、ピンやボルトに頼らないコンシールドタイプは、より優れた接着剤の選定が、性能を左右するといっても過言ではありません。

せん断強度、剥離強度、伸び率、耐候性、防水性、これらが高いパフォーマンスで揃ったエポキシ接着剤が理想となります。

しかしながら、そのような要求を満たす接着剤は、ごく一部となり、コストも高くなります。

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・ハイスペックモデル用

南極大陸~デスバレーのような灼熱地帯に対応する耐候性、ブレードの``しなり``による隙間の防水。低吸水率、高い絶縁性、そして高せん断強度、高剥離強度、高伸び率。これらが非常に高い次元で融合した構造用エポキシ接着剤として。採用したのがUSA Cotronics社が世界に誇る、DURALCO® 4538 となります。

非常に柔軟でありながらも、強力な高せん断強度を誇ります。

この相反する特徴を、高次元で両立したエポキシは、そう多くはありません。

これ以上の接着強度を有するエポキシ接着剤もありますが、同じような性能を有する、他のメーカーとの決定的な性能の違いは、圧倒的な適応温度となります。

氷点下-70℃~230℃の広いレンジで使用可能となり、この性能は即ち、超高耐久、高耐候性を意味します。

地球上のあらゆる環境で使用可能なエポキシ接着剤はDURALCO® 4538となります。

しかしながら大きな欠点として、新品のスマートフォンが買えるほどの、とてつもないコストがかかります。

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