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耐摩耗性強化型ステライト
ステライト190 は、優れた耐摩耗性、高温強度、耐食性のコバルト合金です。主に石油、ガス産業用途に使用され、特に高温耐摩耗性箇所への要求の高い使用が求めらます。
ステライト6Kとの違い
※本来の専門的な利用用途における違いは割愛します。
ステライト6Kはその耐摩耗性の高さにより、硬度が低くても、切る対象によっては、鋼を上回る耐摩耗性がありますが、反面硬度が低いため、木などの少し硬い物に対しては、たちまち切れ味が低下する大きな欠点がありましたが、ステライト190にはその弱点はありません。
ナイフ用途で使用される、今までのステライト6Kとの大きな違いは、硬度にあります。ステライト6Kが48 HRC±であるのに対し、ステライト190は58 HRC±(最大60 HRC)と非常に高く、数あるステライトの中でも、最も炭素保有量が高いため、一般的なナイフ鋼と変わらぬ硬度となります。これによりステライト特有の、摩擦係数の少なさも相まって、非常に強力な耐摩耗性を有します。
耐摩耗性
以前Youtubeで、ステライト6KとD2の耐摩耗性の比較を行いました。切る対象物は藁となり、その時の結果はステライト6KがD2の4倍強の数値となりました。このことからステライトそのものの耐摩耗性は非常に優れている結果となりました。
靭性
ステライトの靭性値はナイフ鋼と比較して、非常に高いとは言えません。これは細分組織の粗さが要因となります。木に刺して全体重を乗せるなどの、通常では行われない負荷には良いとは言えませんが、ブッシュクラフトなどの用途では問題なく使用可能となります。
切れ味
切れ味に関してましては、ステライトそのものの細分組織が現代のナイフ鋼と比較して大きい為、炭素鋼包丁のような研ぎ澄まされた、究極的な切れ味は出せません。しかしながら薄い紙を滑らかに切り裂く程の、切れ味が非常に良いとされるナイフのような刃付けは可能となります。
耐食性
炭素保有量が増えたため、耐食性が気になるところですが、化学用途的にみるとステライト6Kよりは低下していますが、あくまで化学用途となり、今まで通り、海水または死海のような環境でも錆びることはありません。
熱処理
もう一つの特徴として、焼入れが不要の金属となり、高温環境での用途に設計されている為、900℃以上の高温でも刃が鈍ることはありません。
加工難易度は、ただでさえハードなステライト6Kよりも硬度が高い分、言うまでもなく更にハードです。
ステライト190はかなり特殊な用途の為、丸棒などでしか生産されない為、今までナイフに使用されることはありませんでしたがISZ KNIVES用に特別生産したプレートを使用しております。
錆びない、何を切っても長切れする``高性能ブレード``それがステライト190となります。
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